これから、 café Powow を作った経緯、コンセプト、私の想いなどを発信していこうと思います。私の得た知識や経験から、食物のこと、身体のこと、脳のこと、環境の事お伝えできれば幸いです。
なお、学術論文ではないので、できるだけ数字的なデータや専門語は避けていこうと思いますが、参考文献やサイトは提示する予定です。そして、疑問や疑義がある場合は遠慮なくお伝えください。
café Powowが目指すもの
café Powowを運営する合同会社 朋有我有の理念は、「誰もが笑顔で夢を語り、喜びを持って生きる社会を目指す」です。
この「誰もが」という部分は、私たち朋有我有の従業員や就労支援事業の利用者だけに限りません。
ふだん意識することはありませんが、私たちは常に世界とつながって生きています。
たとえばcafé Powowで提供しているコーヒーも、ブラジル、グアテマラ、コロンビア、タンザニアやスマトラなど、世界各地で生産されたコーヒー豆をブレンドしたものです。これらの国でコーヒーの木を栽培し、収穫し、輸出している人たちがいます。そしてもちろん、café Powowに立ち寄って、コーヒーを楽しんでいただくお客様が居なければ、café Powowは存続できません。
このように、私たちがコーヒーを提供することだけをとっても、お客様や従業員を含めた世界中の多くの人たちがいることで初めてできることなのです。
私たちは、このような形で私たちの事業に関わっているすべての人が、笑顔で夢を語り、喜びを持って生きる世界を作りたいと思っています。
そのために何が必要かを考えた時に、鍵になるのはLOHASという考え方です。
LOHASへの取り組み
LOHAS(ロハス)とは、”lifestyles of health and sustainability” (健康で持続可能な、またこれを重視するライフスタイル) の頭文字をとった略語で、1990年代後半にアメリカで提唱され、2000年代初頭に日本に紹介された価値観です。
もともとはマーケティングコンセプトとして提唱されたものですが、私は商業的な意味を超えて大切な価値観だと考えます。
LOHASの考え方には様々な側面があり、自然環境と消費者の健康に大きな影響を与える農薬や添加物を使わない食品を選ぶこと(オーガニック)や、生産者の生活をないがしろにするような流通・政策による製品を選ばないこと(フェアトレード)、環境負荷の高い合成洗剤ではなく生分解性があり人体にも優しい石鹸などを使うこと(ケミカルフリー)など、生活の様々な面で意識的に取り組むことができます。
café Powowでは、主な商品であるコーヒーやカレーはもちろん、フレンチトーストのパンやサラダの野菜にも、できうる限り自然環境とお客様の健康のために良い食材を選んでいます。
café Powowはお客様の健康を考えた食材を選んでいます
たとえば、パン類には、トランス脂肪酸を一切使用しないものを選んで提供しています。マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸が健康に及ぼす影響が問題視されるようになってきました。健康に対する意識の強いEUやアメリカの一部の州ではすでに、食品に含まれるトランス脂肪酸に対して含有量の表示を義務付けるなどの規制を行っています。近年は日本でも動物の肉を食べる食生活が多くなってきましたので、マーガリンなどで更に多くのトランス脂肪酸を摂取することは健康リスクを高めることになります。
参考ページ:農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」
また、カレー用のお米には、秋田農友会のあきたこまちを使っています。なぜ秋田なのか、いずれ詳しくお話しするとして、一番の理由は生産者である残留農薬の表示をしていることです。私が個人的に秋田農友会からお米を買うようになったのは1980年代の終り頃ですが、当時、家族が日光過敏症になったり、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を読んだことが影響して、毎日食べているものとそれに含まれる残留農薬のことが気になっていました。そんな中、生産者が直接責任を持って販売していること、当時では珍しかった残留農薬の表示を行っていることに信頼を持ったのです(現在は残留放射能も表示されています)。
さらに、同じく残留農薬への配慮から、サラダやカレーに使っている野菜類は、積極的に有機野菜を使っています。
参考ページ:秋田農友会
このように、café Powowではひとつひとつの商品のために、その原料、その食材を使う理由、ストーリーがあります。美味しい食事とコーヒーを提供するだけでなく、それを食べるお客様に健康な生活も提供したい。そのための取り組みや、café Powowで提供している商品それぞれのストーリーを、ぜひ皆様にも知っていただきたいと考えて、この連載を企画しました。これを読んで、少しでもcafé Powowに、私たちの理念に興味を持っていただけたら嬉しく思います。
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